美と健康のコラム Vol.27
肩が変われば、記録も変わる!
― 陸上選手が“肩の柔軟性”を取り戻してベスト更新した話 ―
今回は、陸上選手にとって意外と見落とされがちな「肩関節の柔軟性」についてのお話です。
エピソードその1
高校2年生のA君(陸上部・100m)が腰痛で来院されました。
補強トレーニングをしすぎて筋肉を痛められたようでしたが、数回の通院で腰痛は完治し、練習を再開。
しかし、タイムは悪くないのに、「スタートで腕が振りにくい」「後半に失速する」と悩んでおられました。
検査してみると、両肩関節の可動域がかなり狭く、特に右肩甲骨の動きも硬い状態でした。
上半身の動きが制限されているため、腕振りが小さくなり、結果的にストライド(歩幅)やリズムにも影響が出ていたのです。
そこで、肩甲骨まわり・胸郭・上腕の調整を行い、同時にストレッチと動作トレーニングを指導。
数週間後、A君から「腕が自然に振れるようになった」「走りが軽くなった」との報告がありました。
その後の大会では、自己ベストを0.2秒更新!
フォーム動画を見返すと、明らかに上半身の動きがスムーズになっていました。
エピソードその2
ある市民ランナーのBさん(30代・フルマラソン)が来院されました。
走っていると膝関節が痛み、股関節に違和感があるとのこと。
数回の施術で痛みと違和感が無くなり練習を再開。
しかし、しばらくするとまた再発して来院されました。
もしかして、と思い検査すると肩関節の可動域が著しく低下し、筋緊張も強い状態でした。
肩関節が固いために上半身と下半身の運動連鎖がスムーズにいかず、股関節と膝関節にブレーキがかかっていたものと思われます。
そこで、肩関節、肩甲骨の可動域を広げる施術と骨盤の調整をおこない、骨盤―肩甲骨のリズムを作る体操、ストレッチを実施。
直後に「腕の振りが軽くなった」と実感されました。
その後の大会ではサブスリー(フルマラソンを3時間以内にゴールすること)を達成!
肩甲骨の動きの大切さを感じられたBさんは月に1回のメンテナンスに来られています。
なぜ肩関節の柔軟性が記録に関係するのか?
① 腕振りの可動域が広がる
肩関節が固いと、腕を後ろに引く動作が制限され、前後の振り幅が小さくなります。
結果、走りのリズムが上半身と下半身でアンバランスになり、推進力が弱まります。
腕振りの可動域が広がると筋肉のブレーキが無くなり走りのリズムが良くなります。
② 体幹の連動がスムーズになる
肩関節と肩甲骨は、体幹・骨盤・脚の動きと連動しています。
肩の動きがスムーズになることで、全身の「ねじれ」動作が自然に出て、
地面を押す力をより効率的に前方へ伝えられます。
③ 姿勢が整い、呼吸が深くなる
肩の硬さは胸郭(肋骨まわり)の動きも制限します。
柔軟性が戻ると、胸が開き、呼吸が深くなるため、
スタート前やレース中の酸素供給量が増え、持久力にも好影響を与えます。
④ ケガの予防になる
肩まわりが固いと、代わりに腰や膝が無理をしてフォームが崩れやすくなります。
柔軟な肩は、動きの“クッション”となり、全身の負担を分散してくれます。
整体でできること
整体では、
肩甲骨・鎖骨・胸郭の動きを出す手技
肩関節の可動域改善
姿勢・呼吸・体幹バランスの調整
などを行うことで、「動ける肩」=「走れる体」を作るサポートができます。
まとめ
肩関節の柔軟性は、ただの「上半身の動き」ではなく、
全身の連動とスピードを支える“隠れた鍵”です。
陸上、野球、テニス、水泳など、あらゆる競技で肩の動きは重要。
もしあなたが「腕が振りにくい」「上半身が重い」と感じているなら、
それは肩のサインかもしれません。
最後に一言
高校生のA君も言っていました。
「肩を整えたら、走りが“軽くなった”感じがしました」
身体が変われば、動きが変わります。
動きが変われば、結果も変わります。
バランス整体で肩を整えましょう!
バランス整体 1回 4950円
小中高生 1回 3300円
